5月13日土曜日 晴れのち雨 8:16~13:46 16~18℃

以前述べたように、ノジコはこの春に見ておきたい最優先の課題である。
去年の10月に福井の中池見湿地で渡り途中のノジコを見ることに挑戦したが、さえずりをしないノジコを見るのは難しく、かつj若干時期を外していたので惨敗した。

今度はさえずりの季節。
観察例が多い戸隠森林植物園でリベンジを目論んだ。

いつものように、0:05に八重洲を出発して夜行バスで長野へ。
6:30少し前に到着して、始発のバスで戸隠森林植物園へ向かった。
奥社入口で下車。
参道に入らず左折して観察開始である。

戸隠森林植物園20230513
TRM・・・トリミング
NoTRM・・・角度補正を除きトリミングはしていない。レタッチは行う
TD・・・撮って出し。レタッチも行わない。

①鳥居付近
M5130007(換算700mmTD)
鳥居を少し過ぎたところでウグイス登場。
幸先が良い。

②シラカバ平
M5130030-Edit(換算700mmTRM1/2)
右折して木道を通る。
少し歩くと、聞きなれない声がした。

20230513_082636nojiko.wav

周りにいるのはヒガラ、コガラ…
まさかこの鳥たちの声とは思えない。
ひょっとしてノジコか!?と思ったが、周りを見てもヒガラしかいないので、不思議に思いつつ先へ進んだ。


M5130039(換算700mmTD)
アカハラが近くに出現したので撮影を試みるが、あっという間に陰に隠れてしまう。


M5130042(換算700mmTD)
やっとピントが合った!と喜んだが手前の草、邪魔w


M5130058(換算700mmTD)
ミソサザイも近くに出現。
すこしピントがずれたか。

丁字路を左に曲がると、コルリの爆音が聞こえてきた。
見ると人だかりが出来ている。
しばらく待っていたが藪から出てきそうにない。
今回の目的はノジコなのでコルリは諦めて先へ進んだ。

しかし実は先ほどの声はノジコだったのだ。
そのすぐ後にアカハラ、ミソサザイ、さらにはコルリなどに気を取られてしまった。

③小川の小径
M5130073-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/2)
森の定番ゴジュウカラも登場。


写真 2023-05-13 8 50 09(iPhone13)
平行して走る小川。
木々の緑も増えて来た。

ツツドリが高台の方の木で鳴いている。
何とか姿が見えるかもしれないと、高台園地の方へ向かった。

④探鳥路
M5130085-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/2)
結局ツツドリは見つからなかったが、探鳥路を歩いているとキビタキのメスが登場。
キビタキはメスが造巣するそうで、口に巣材を咥えている。


M5130094-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/2)
少し離れたところではオスも鳴いていたが、警戒心が強いのかすぐ飛んでしまった。

周囲にはチッチッという地鳴きとさえずりが聞こえた。
アオジかノジコか。

20230513_090354aojinojiko.wav

しばらく待っていたが出てこないので先へ進んだ。

⑤みどりが池付近
同じ様にアオジかノジコのような声が聞こえたと思ったらようやく姿を見せた。

M5130108-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/2)
アオジのオスだ。
採餌している。
その後、メスが藪から現れ二羽一緒になって飛んで行った。

⑥高台園地
結局、成果が無いままに戻ってきてしまったので、再度高台園地の方へ向かった。

歩いているといろいろな鳥の鳴き声の中に、メボソムシクイのさえずりが聞こえた。
またいつものように声だけだろうなと思い録音だけはしておこうと思った。

20230513_094929meboso.wav

ところがすぐ前の木の上の方にメボソムシクイが出現!
慌てて録音を止めてカメラを構えた。


M5130141-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
メボソムシクイは奥日光で良くその声を聴くが、なかなか姿を現さない。
見上げる形になるが、こんなにしっかりした状態で取れるのは珍しい。


M5130152-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
さえずっているところ。
こっちを向いてくれ。


M5130186-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
思いっきりこっちを向いてくれたw
こんな顔なのか。

それにしてもこの辺りは標高1250mぐらい。
奥日光だと中禅寺湖のあたりである。
あちらでメボソムシクイに会えるのは戦場ヶ原どころか、湯ノ湖でも難しい。
小峠付近まで上がってようやく声が聞こえる。
1600mというところか。
そう考えると、このメボソムシクイはまだ渡りの途中なのだろうか。

⑦シラカバ平
結局、ノジコに会えないまま、高台園地、水芭蕉の小径を通り再びシラカバ平に戻って来た。


M5130188(換算700mmTD)
ピントはイマイチだがミソサザイを至近で。


M5130200(換算700mmTD)
気が付いたらキビタキのオスが頭上に止まった。


M5130219(換算700mmTD)
M5130226(換算700mmTD)
こちらのキビタキは人慣れしているようだ。

だが肝心のノジコは…
もう今日もダメか。
今日の成果はメボソムシクイだけとは…などと思って歩いていると、アオジとは違うさえずりが聞こえた。


M5130228-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
黄緑色の体。
さえずりもアオジとは違うように聞こえる。
これは間違いなくノジコだ。
撮っているときは気づかなかったが、白いアイリングも見える。


M5130240-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
さえずり。


M5130253-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
上面部。


M5130261-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
後ろ姿。

ようやくノジコに出会えた。
結局のところ、②の時に聞いた声がノジコで、ずっとその場にいたらすぐ出会えていたと思うと、1時間半以上も時間を無駄にした。
(とはいえメボソムシクイに出会えたのは収穫だったが)
ノジコメインでいたのだから、何度もそのさえずりは予習してきたが、なかなか頭に入って来なかった。
こうして実地で聞くことによりようやく理解が深まった。


M5130316-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
少し距離があったので行ったり来たりしてると何度かノジコに出会えた。
一番近かったのがこれ。


M5130363-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
さえずりのシーン。


M5130311-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
こちらはすぐ上の枝に止まって鳴いていたアオジ。
縦斑が薄いのでノジコと変わらないように見える。
クチバシの色が肉色であることがノジコと違う。

上のアオジを動画で撮った時の音声を抜き出したもの。

202305130306aoji.wav

ピッチョンという音から始まり、トリルが目立つ。

一方次はノジコの動画から抜いた音声。
話し声がうるさいのが残念。

202305130358nojiko.wav

チョンチョンというテンポの良いスタートで、ミソサザイにも似ているように聞こえた。
ミソサザイに比べるとこちらの方が短くて、スピードも少し遅い。
トリルの有無でアオジとの違いが分かる。

ただ、その後に録音したノジコの声には、少しトリルが聞こえた。

202305130378nojiko.wav


M5130397-Edit(換算700mmTRM1/3)
シラカバ平ではコサメビタキが飛び回っていた。
2羽いたので番だろうか。

木道を歩いていると、バーダーが一人、上の方を撮っていた。
何の鳥がいるのかなと見てみると、ノジコやヒタキの仲間のような大きさではなく、もっと大きい鳥が見えた。


M5130299-強化-NR-Edit(換算700mmTRM1/3)
なんとヒレンジャク。
全部で8羽程度いたように見えた。
それにしてもまだ北へ帰らないのか。
常連の方によると先週ぐらいから来ていたらしい。

⑧鏡池
11時半を過ぎたので、参道入口の「なおすけ」で食事。
その後、再びシラカバ平を通って外周の小径に出て鏡池に向かった。

その途中で道の近くからコルリのさえずりが聞こえたのでしばらく待っていた。
ハイカーが近づいて来たので、コルリは道を横切って飛んで行ったが、写真には撮れなかったものの姿を一瞬だけだが見ることが出来た。

先程の常連の方から聞いたところによると、コルリは7羽いるらしい。


写真 2023-05-13 13 05 46(iPhone13)
鏡池と戸隠の山々。
空はかなり曇ってきて、この後案の定ポツポツと降り始めた。
雨具は持ってきたが、もう13時も過ぎて鳥の出も悪くなったので引き上げることにした。

総括:
なかなかノジコに出会えず園内をいろいろ探したが、結局のところシラカバ平にいればノジコは十分に観察できたわけだ。
ただ終わって見ればノジコを十分に観察出来て、さらにメボソムシクイやヒレンジャクまで見ることが出来て、満足が行く鳥見だった。
コルリについては惜しかったな。

(2023.5.16追記)
森の中を歩いている時、チュンチュンという声が聞こえた。
こんな森でスズメ?と思ったが、周りに何も見えなかったので先を急いだ。
後で考えてみると、ニュウナイスズメだったと思う。
立ち止まって出てくるまで待っていればよかった。


おまけ:
写真 2023-05-13 9 53 47(iPhone13)
カタクリの花かな。
イメージでは、花びらが裏返っている姿を見るが、こちらは垂れ下がっているだけだ。
本当にカタクリなのだろうか。


写真 2023-05-13 11 13 06(iPhone13)
こちらはシラカバ平のミズバショウ。
近くには黄色いリュウキンカも咲いている。
撮り方を工夫したり、もっと密度が高いエリアで撮れば、白と黄色のコントラストが美しい絵になったと思う。


写真 2023-05-13 12 11 05(iPhone13)
こちらがそのリュウキンカ。


写真 2023-05-13 13 19 08(iPhone13)
ニリンソウもあちこちで咲いていたが、これは黄色いニリンソウ(?)だろうか。

ZooPicker
2023年5月13日(土)戸隠森林植物園(戸隠森林公園)の野鳥観察記録

使用機材:
Olympus E-M1 Mark.II
PROMINAR 500mm F5.6FL
TX07(換算700mm)

iPhone13pro

(執筆:2023.5.15)